第57回 有機野菜と健康をお届け!オーガニックフロムオーストラリアの和美さん

中央が和美さん(Taek Yang氏提供)

中央が和美さん(Taek Yang氏提供)

シドニーでは日本の食材が比較的手軽に入手できるが、大根やレンコン、ゴボウなどの日本野菜は普通のスーパーでは見かけない。そんな折、マリックビルのオーガニックマーケットで、日本野菜、しかもオーガニックの野菜を売っている人がいると聞き、さっそく訪れた。そこで出会ったのが、野菜販売業者オーガニック・フロム・オーストラリアの社長、アックリングコールス和美(わみ)さん。なぜ有機日本野菜を売るようになったのか、和美さんに話を聞いた。

和美さんはオーストラリアに来る前、日本で美容師やヘアメイクアップアーティストとして、化学薬品を扱う仕事を15年間続けていたが、美容業界に閉塞感を感じて、視野を広げようとオーストラリアに来た。オーストラリアを選んだのは、趣味のサーフィンが大きい。日本ではビーチまで行くのに車で往復6時間かかり、忙しい美容師の仕事との両立が難しかったという。

和美さんの人生は、来豪後に目まぐるしく動き出す。1年目で現在の夫と出会い、2年目に結婚。3年目に双子を出産した後、4年目に3人目の子どもを出産した。当時和美さんの夫はオーガニック業界で9年勤めていたが、和美さんはなんと、日本の両親に夫を紹介するまで、自分の埼玉県の実家がオーガニック農家だったことを知らなかったという。「家も代々農家で、両親が農家だとは知っていましたが、父の代でオーガニックに転換したことを知らなかった」そうで、農家の忙しさを目の当たりにしてきた和美さんは、「日本にいるころは(農業に)全く興味がありませんでした」と語る。

 

■きっかけは2つの命

和美さんが夫とオーガニックについて話すことが増えたのは、生まれた双子が未熟児だったことがきっかけだ。栄養価の高い食事をと調査を繰り返し、たどり着いたのがオーガニックだった。子どもたちに安全で安心な環境を与え続けたいという思いが生まれ、健康で持続可能なライフスタイルについても考えるようになった。2009年にはシドニーで情報交換も兼ねて「ロハスマザーズグループ」を発足。オーガニック農家まで車を走らせて新鮮な卵を買い付けるなど、グループのメンバーと食材の共同購入をするようになった。「今思えばそれがスタートだったみたいです」と和美さんは振り返る。

 

■日本向け輸出も視野

現在は、ニューサウスウェールズ州のオーガニック農家30軒以上とつながりを持ち、平日は発注や、新規のオーガニック農場の視察をする。視察では土の状態や栽培環境などをチェックし、最後に「なぜオーガニックに転換したのか」を聞く。そして週末には、土曜日にポッツポイント、日曜日にマリックビルのマーケットに出店し、消費者と農家をつなぐ役割を担う。

元気一杯の野菜(Taek Yang氏提供)

元気一杯の野菜(Taek Yang氏提供)

冬場で扱う日本野菜は、白菜や大根、ユズ、水菜など。味噌も販売する。扱うようになったのは「単純にまず自分が食べたかった」ためで、生産者を確保するため「常に目を光らせて有機農家を探している」そうだ。オーガニックだからおいしいというわけではないため、和美さんは農場視察の際には味もしっかり確認し、「最高のものを届けたい」と考えている。最近は日本人だけでなく、日本を訪れたことのあるオージーも日本野菜を買っているという。

和美さんは、オーストラリアでのオーガニック市場について、まだニッチだが、関心が「年々高まっている」と感じている。「オーガニック野菜の消費が増えれば、オーガニック農家が増えて、その結果土壌も良くなる。土壌が良くなれば地球が健康になるということ。そういうプラスのスパイラルを目指したい」そうだ。安全なオーストラリアの食材の日本への輸出も考えている。

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