第22回 Delatite Winery

【Delatite Winery】

26 High Street Mansfield, Victoria 3722

Tel: (+61) 3 5775 2922

http://www.delatitewinery.com.au/

前回は、オーストラリアで生まれた品種のブドウから作られるワインを紹介しました。そもそも自生するブドウがなかったオーストラリアでオリジナルの品種開発ができたのは同国の科学レベルの高さあってのことだと思います。

オーストラリアの科学レベルの高さは、人工内耳の開発などでも有名ですが、ワイン造りにおいても科学の力をうまく応用しているのです。世界6位のワイン生産国であり、世界の4パーセントのワインを供給しているオーストラリアですが、その人口の少なさから主に輸出用ワインとして発展してきました。海外で受け入れられるために「安定した品質のワイン」を供給できるよう研究が重ねられました。

オーストラリアワインについて、「大量生産で大衆的」というイメージを持っている人が多いと思いますが、それは同国のワインの質が安定していることの裏返しです。オーストラリアのワインメーカーは、マーケットに合わせたブレンドがとても上手です。また、きちんと科学的な裏付けに基づいているので正確です。指示される味のワインを同じ品質で安定的に大量生産できるのがオーストラリアの長所であり、ネガティブな観点では面白みに欠けると言われます。

■複雑なワインを楽しむ

さて、大量生産で輸出向けワインとして発展したオーストラリアワインですが、国内の市場はどうでしょうか。全国各地にビンヤードがあり、さまざまなシーンでワインに親しんでいますが、一般的にはまだまだ浸透と知識を深める伸び代がありそうです。ニュージーランド産のソーヴィニョンブランが根強く支持されていることでもわかるように、オーストラリア人が普段の生活で飲むワインはシンプルで食事に合うものではないでしょうか。

しかし、時には重厚であったり奥深く、複雑なワインを見極めて楽しめるようになると、選ぶワインの幅がぐっと広がります。消費者の全体的なレベルが上がれば、最近はサイダーなどに押され気味のオーストラリアワインの国内成長も期待できるのではないでしょうか。

先日テイスティングをしたちょっと複雑で面白みのあるワインを紹介します。Delatite wineryの「Dead Mans Hill Gew rztraminer 2012」は珍しいアロマが特徴です。中東の甘いお菓子「ターキッシュ・デライト」のアロマが芳醇(ほうじゅん)で、とてもフルーティーな味を想像させるのですが、口当たりはとても繊細でライチのような甘味とシナモンのスパイスがあり、ドライなフィニッシュです。

食事に合わせるなら、スパイスを多用したアジア料理が合うでしょう。個人的には、アロマとテイストの変化を十分に楽しんでから食事に合わせたいワインです。

オリジナリティー ★★★★☆

アロマティック ★★★☆☆

複雑さ ★★★☆☆

渡部妙子NNA豪州マーケティング部長

投稿者プロフィール

日本で栄養士・管理栄養士資格を持つ。食品会社の品質管理員や、病院食・学校給食の献立作成、栄養指導業務に従事した経験も。06年渡豪。豪州ワインのおいしさに魅せられ、ワイナリー、ワインバーめぐりを趣味とする。 5年間で訪問したワイナリーは50カ所以上。

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