新・たえこのワイン 第33回 「KUSUDA WINES」
- 2014/9/26
- たえこのワイン
【KUSUDA WINES】
5 Hawkins Drive, Martinborough 5711, New Zealand
Tel: +64-(0)6-306-8083
http://www.kusudawines.com/japanese/
前号のトップインタビュー「マイナス要因を減らして最高のワインを」で取材協力いただいた楠田浩之さんのワインを試飲させてもらいました。世界的に著名なワイン評論家ジャンシス・ロビンソン女史も絶賛する「KUSUDA WINE」はどんなワインなのでしょうか。
【立ち昇るアロマと余韻の長さ】
今回、2013年のリースリング、2012年のピノ・ノワールとシラーの3種を試飲しました。
全てのワインで印象に残るのは、その香りの複雑さと余韻の長さです。
リースリングは、最初にシトラス系のアロマが立ち昇り、ミネラル、デリケートな花のアロマが続きます。南オーストラリア産ほどドライではないものの、ドライで余韻に果実の甘味をほのかに感じられます。
ピノ・ノワールは若々しくイチゴやラズベリーの香りが印象的です。ソフトなタンニンと酸味のバランスがとれて洗練されています。今でも充分に美味しい出来上がりですが、瓶熟成が進んで一層複雑なアロマになったところでまた試したいと思わせます。
シラーは、より骨格のしっかりした力強さを感じる仕上がりになっていました。一方で、オーストラリア産のシラーズとは異なり、冷涼地ならではの繊細さがあります。適度な酸とタンニン、オークのフレーバーがありこれから何年も瓶熟成されるにふさわしいワインです。
【疲れないワイン】
「KUSUDA WINE」は力強さの中に「繊細さ」や「複雑さ」を備えています。1時間ほど試飲しましたが、その間ワインの香りは衰えず、良い香りを放ち続けていました。まさに「疲れ知らずのワイン」です。
【駐在員のためのワイン講座】
「読んで納得、ワインラベル」
今回はオセアニアワインのラベルについてお話したいと思います。
旧世界のワインラベルに比べて、オセアニアなど新世界のワインラベルはブドウの品種や産地が書かれた「バラエタル表示」のため分かりやすいと思います。
また、ワインの裏のラベルには、そのワインのスタイルや醸造過程、ビンヤードの環境など「どのようなワインか」ということを文章で書いてあります。その中にワインの品質や価格を裏付けるキーワードがありますので、注意して読んでみてください。
【Low Yield=低収穫】
低収穫、というと効率が悪いのではないか、という気もしますが、ブドウの品質に重きを置いて栽培しているということでワインの販売者からすれば、セールスポイントなのです。
【New French Oak Barrels=新しいフランスのオーク樽を使用】
オーク樽での熟成を経たワインは、バニラやスパイス、スモーキーな香りなど複雑なフレーバーが生まれ、飲み口が安定します。このような効果は、オーク樽が新しく、小さいサイズのものほど大きくなります。フランスのオーク樽は、一番小さい225リットルサイズで約1,000豪ドル(約9万7千円)はします。オーク樽の中でもフランス産は最も高価で、人気がありNew French Oak Barrelsと書いてあるワインは高価なワインばかりです。
【Preservative (220) =保存料(220)】
世界中のほとんどのワインで、品質を保つために保存料が使われています。この(220)というのは、二酸化硫黄(Sulphur dioxide)のことで、オーストラリアでは、オーガニックワインにもその利用が認められています。そのほかにもソルビン酸は(200)、アスコルビン酸は(300)と表示されます。
そのほかにも「Hand Picking=手摘み」や「Night Harvest=夜間の収穫」と書かれていることもあります。このように、ワイナリー側が手間やお金を投資したことを想像すると、ワイン作りの背景がつかめるのではないでしょうか。
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2021/1/22
地声人語・湖城の窓から- vol.485
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