ピルバラ地区も農業へ、酪農の可能性も
- 2014/10/13
- 政策・投資
鉄鉱石採掘など鉱業の盛んな西オーストラリア(WA)州ピルバラ地区では、綿花や青果だけでなく、酪農事業を開拓することも可能─。WA州農業食品省(DAFWA)のディレイン長官が指摘している。公共放送ABCが伝えた。
ディレイン長官は「サウジアラビアの砂漠の真ん中で5万頭の酪農牛が飼育されているのを見たことがある」と述べ、ピルバラ地区で酪農事業を営むことは技術的に可能と発言。また、鉱業労働者向けの宿舎を、農業向け季節労働者の宿舎として活用することができるとの見方を示した。
ピルバラ地区で大規模なかんがい農業の開拓を模索しているDAFWAは、実現可能性を調査する「ピルバラ内陸地域農業開発計画(PHADI)」の一環として、同地域でソルガムなどの生産を進めている。ディレイン長官は、鉱業現場で使用されなかった水を活用した場合、かんがい農業向けに約200ギガリットルの水を使用することが可能だと述べ、「ピルバラ地区の鉱業の規模に匹敵するほど農業事業を拡大することは不可能と思われるが、市場における需要の開拓に注力したい。個人的には、不足しているサプライチェーンの強化に目を向けたい」と話した。
ただ、ピルバラ地区の多様化計画に関しては、鉱業界から慎重に進めるべきとの見方が浮上している。WA州鉱業・エネルギー会議所(CME)の北西部担当マネジャーのウィザム氏は、「ピルバラ地区で農業や観光など、鉱業以外の事業開発を進めることは歓迎するものの、資源会社の中には、自分たちの存在が忘れ去られていると感じている企業もある」と指摘した。
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