北部の穀物開発、現状では採算割れ

将来を期待されているオーストラリア北部の穀物農業開発は、現在の穀物および油糧種子の価格水準では採算が取れない─。オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀行が報告書で指摘した。公共放送ABCが報じた。

ANZ銀のシニアエコノミストであるディーン氏は、牛肉と生体牛の記録的な高値が、北部地域の牧畜業にとっては事業拡張を魅力的なものにしていると指摘。財務リターンは約7~14%に上り、投資家の関心も集められるとしている。しかしその一方、報告書は、北部地域がアジア向けの飼料用油糧種子の一大サプライヤーになり得るかどうかについては、実現に疑問を呈している。

穀物と油糧種子の価格が5年来の最安水準にある中、ディーン氏は、経済的観点から、北部地域の穀物農業は採算割れになると指摘する。

また、同行のチーフエコノミストであるホーガン氏は、北部地域を食料庫として開発するために必要なインフラ整備には大規模な資金が必要となるため、資金の調達先としてアジア地域が重要な役割を果たすことになると予想。ディーン氏は、アジアの食品価格の高さが、アジアの投資家がオーストラリアの食料生産に投資する上でのインセンティブになると指摘し、例として、中国のトウモロコシ価格が国際価格の2倍の水準にあることを挙げた。

報告書ではまた、農業分野の研究開発(R&D)投資が15~40%の利益を生んでいるとして、政府は北部地域のインフラ整備計画よりもまず、R&Dに投資を行うべきだと提言されている。

 

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