QLDが待望の水産養殖戦略、 詳細欠くと批判も

クイーンズランド(QLD)州のドナルドソン農相がこのほど、水産養殖事業の拡大に向けた戦略を明らかにした。同州では水産養殖業の拡大政策がこれまで強く求められており、地元の水産業界は政策綱領の発表をおおむね歓迎。しかし、実際に開発を行う場所や時期など、具体的な情報が示されていないとの批判の声も上がる。公共放送ABCが4月26日に伝えた。

世界の魚肉生産では過去10年間に、養殖が全体に占める割合が25%から42.2%に拡大するなど、水産養殖業の存在感が高まっている。しかし、QLD州内では同じく過去10年の間に、新たな養殖場は開設されていない。

このため、QLD州競争力事務局(QCA)は2014年9月、州政府に対し、州内の水産養殖事業の拡大に向けた戦略を進めるよう要請。さらに、オーストラリアの北部地域開発に向けて設置された連邦政府との共同議会委員会も今年初めに同様の提言をしていたほか、連邦政府の生産性委員会も養殖事業の拡大に関して現在調査中だ。

ドナルドソン農相が今回発表した戦略では、養殖事業の重点開発地域を設置することや、各地域の規制を評価できる総合システム、そして環境オフセットの利用可能性などをより確実にする方策など、QCAが1年半前に提案していた多くの要素が盛り込まれた。

同相は、QCAからの提案から戦略の発表までに1年半の時間を費やしたことを弁護。「戦略を示すことで民間投資を促し、新規参入を阻害する障壁を除くことができるだろう」と期待感を示す一方で、養殖事業の拡大に向けた具体的な実施期限の早期の発表や、早急な資金拠出の可能性を否定した。

■エビ養殖業は慎重姿勢

豪エビ養殖業者協会(APFA)のウエスト代表は、同州の水産養殖事業は、新規の開発なしで年間4%の成長を遂げてきたと評価。今回発表された戦略について、業界への投資誘致につながるとして歓迎した。

その一方で、「連邦政府とQLD州政府に対しては、養殖事業の拡大が世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフに与える影響を抑制するよう、圧力が高まっている」とし、「いつ、どの地域に新たな養殖施設が開発されるかについては、何の保証もない」と慎重な姿勢を示している。

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