漬け物

日本の田舎で知人宅に招かれて行くと、どこの家庭に行っても漬け物とお茶が出される。わが長野県の漬け物は野沢菜だ。今回帰省した際に気付いたが、最近の野沢菜は非常にサクサクとした食感で食べやすくなっている。昔はかみ切れないスジが残ることもあったものだが、これは味もあっさりとしていて、いくらでも食べられそうだ。

聞いてみると、これは白菜と野沢菜を交配したものらしい。葉の形状はほぼ同じで見かけでは分からない。植物分類学上では、野沢菜は白菜と同科の植物で、交配しやすい性質を持つのだという。

その後、地元で老舗の料理屋に行って出された野沢菜もまたおいしかった。「これは交配種ですか」と尋ねると、「いえ純粋な野沢菜です。それに塩しか使っていません」とのこと。なるほど食べやすさを追求するのもいいが、伝統と味を守るのもまた大切だ。今度、豪州で漬け物づくりに挑戦してみたい。(西嵐)

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