鯨肉

昨年末に日本の実家に帰省していた際、わが子を地元の小学校に体験入学させた。ある日、きょうの給食は何だったかと聞いたことろ、「鯨肉」と言っ たので驚いた。校内放送でメニューを説明してくれるのだという。

とかく鯨漁にはうるさい国から帰国した身にしてみれば、日本で鯨が既に給食に出ているというのは何とも複雑だ。シドニーで、捕鯨反対の団体に声を かけられたことがあるが「今は日本でも鯨の肉を食べている人などほとんどいない」と“釈明”していたからだ。

調べると、今や、年に一度でも鯨肉が給食に出た小中学校は、全国の約20%に当たる約5,400校に上る。もはや日本人は、最近は鯨肉を食べない などとは言えないのだ。鯨肉は、豪州近くの南極海で捕れたクロミンククジラだという。

日本の捕鯨は正当だとは思うが、海外にいると、捕鯨を続けることで失う国益が大きすぎることにも気付く。外交では、正当な論者が勝つとは限らな い。(駑馬)

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