種が欲しい

パプアニューギニアで暮らしていたころ、当地でもドリアンが食べられるのを耳にした。国立農業試験所(NARI)に行けば手に入るという。NARIに行くと、ドリアンだけでなく、ランブータンやマンゴスチンなどもあった。それぞれたくさん買って、間借りしていた家の住人と分け合った。

同居人たちは、ランブータンやマンゴスチンは喜んで口にしたが、ドリアンは慣れてないようで口にもしなかった。しかし、一緒に食べていた若者が、それら果物だけでなく、彼らが顔を背けたドリアンの種までも欲しいという。聞けば、種を育てて実をつけた時にマーケットで売りたいという。そういえば、パイナップルを買った時も、葉っぱを要求された。これもちゃんと植えれば、パイナップルの実を付ける。

こちらで果物を買っても、種と葉を捨てざるを得ないだけに、土地とよい生育環境を持つ彼らの世界がうらやましい。(頼徳)

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