行きづらいシリーズ

野菜を買う時、スーパーと独立系の青果店の両方がある場合は後者を選ぶ。なんとなく青果店の方が安くて新鮮な気がするからだが、実際には必ずしもそうではなく、がっかりすることも多い。

先日、新しい青果店を見つけた。品揃えが多く、価格も安めだ。喜んで買い込んだ。支払いを済ませ、ポリ袋を提げて歩いていると、青果店のエプロンをした長身のオージー男性が走ってきた。「忘れ物です」。彼が持ってきた袋の中にはバナナが入っていた。自分のではないと言うと、おかしいな、と首をかしげながら戻っていった。

あわてんぼうもいるものだと思って歩いていると、再び先ほどの店員が息を切らせて走ってきた。「これ、忘れませんでしたか」。見ると、ブルーベリーが入っていた。「あ、私が買ったものです!」。「そうですか、よかった」。にっこり微笑むと店員は帰っていった。

1回目で気付けよ、自分。三拍子そろった貴重な店だが、しばらくは行きづらい。(城一)

 

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