日本の敵は日本

日本のおいしい果物をオーストラリアで作りたいという、熱意あるオージー農家を引き連れて、日本のある県を訪れたという知人の話を聞いた。日本の果物を海外に広める好機でもあり、オープンな対応を期待していたという。

しかし、「県民の税金で開発した果物は、県外には出せない」の一点張りで、話し合いにもならなかったそうだ。しかしこの県では果樹農家の高齢化が進み、年々その数が減っている。果樹経営はもともと重労働な上、同地では山の斜面を利用した果樹園が多く、極端な話、この果物が将来書類だけの「幻の果物」になる可能性だってある。

米国の自治体ではライセンス制度を整備し、苗木1本でいくら、毎年収穫量に対していくらと料金を請求し、安定した収入源にしているという。「日本ではなぜこれができないのか。資金があれば、日本の農産物のライセンスを買い取って代わりに世界に売り出したいくらいだ」と語る、知人の悔しそうな顔が頭から離れない。(葉羽)

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