ビール瓶の開け方

パプアニューギニアにいた時によく飲んだ瓶ビールは、栓抜きが必要だった。日本人とビールを飲む時は、誰かが必ず栓抜きか栓抜き付きの十徳ナイフを持っていた。

ドイツ人の友人は栓抜きを持ち歩かず、手持ちのライターで開けた。てこの原理を利用して見事にビールをぽんぽんと連続して開ける姿に感心したものだ。一方、パプアの人々と飲む場合、栓抜き派とライター派に加え、歯を使って開ける者もいた。虫歯治療の結果、差し歯が多い自分にはとても考えられない方法だが、何事もなくビール瓶の王冠をかむようにしてビールを開ける様子にはいつも驚いていた。

オーストラリアに戻り、瓶ビールの多くが王冠を手でひねれば飲めるものだった。これはこれで便利だとあらためて思った。ただ、不便でも、栓抜きやライター、そして歯で王冠を開ける姿を見ることで、「ビールを飲む」というあらたまった気持ちを感じていたので、少し寂しい気もする。(頼徳)

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