第1回 パース生活に欠かせない厳選調味料(前編)

日本ではおいしいソースやタレ、ドレッシングがいっぱい売られています。私もよく利用していました。でも西オーストラリア(WA)州パースの事情は大違い。当初は、ステーキソースやドレッシング、既成の調味料(~の素、みたいなの)も試したりしましたが、どうやら家族の味覚には合わないようです。

試行錯誤するうちに、必ず常備しておく調味料や食材が決まってきました。逆にこれさえあればたいていの食事は作れる!という感じです。その代わりに、定番の調味料・食材については、多少割高でも味が確かで、自分が納得できる物を選ぶようにしています。ここパースで食材を試してきた中で、結果的にわが家に常備されるようになった調味料を紹介したいと思います。

■みりん代わりに砂糖

砂糖は、ラパデュラシュガー(Rapadura sugar)またはパネラシュガー(Panela sugar)、ローシュガー(Raw Sugar)、精製された白いキャスターシュガー(Caster Sugar)の3種類を使います。ラパデュラシュガーとパネラシュガーは同じものだそうで、サトウキビのしぼり液を低温で加熱して抽出した糖で、中南米で生産されています。ビタミンやミネラルがより多く残されているため、風味やうまみがあるんですね。私はこちらで「みりん」を使わない代わりに、甘みと風味づけとしてこのラパデュラシュガーを使います。私の感覚では、普通の砂糖よりも甘みが少なく、こくやまろやかさがあります。特にしょう油との相性がよいと思うので、和食の料理を中心に使っています。大きなスーパーマーケットや、オーガニックフード店などで入手できます。

ローシュガーはサトウキビのしぼり液を加熱して抽出した糖で、より砂糖らしい甘さがあります。料理にしっかりした甘みをつけたい場合やお菓子作りに使います。日本のグラニュー糖に近いキャスターシュガーはお菓子作りなどに使います。どちらともスーパーなどで手軽に買えます。

■塩としょう油はあるものを

塩はスーパーで売っている普通のものを使っています。といってもWA州にある天然塩湖から採集された塩で、さらさらで料理には使いやすいです。こちらでは、大きな粒のロックソルトもよく売られています。焼き物にミルで砕いて振りかけたらおいしそうですが、毎回ミルを回すのがちょっと手間になって使うのをやめてしまいました。手軽に買えるよい塩を探索中です。

また、しょう油はシンガポール産のキッコーマンを使っています。製造元に問い合わせたところ、「Made in Singapore」と表記されているものは、小麦と大豆は北米の遺伝子組み換えでないもの、塩はオーストラリア、水はシンガポールのものを使用。シンガポールの工場で生産されている、とのことでした。中国や東南アジアのメーカーによる「Soy Sauce」は、砂糖やうまみ調味料などが入っているものがほとんどで、日本のしょうゆとはちょっと異なるので注意が必要です。

いつか、オーストラリアで醸造された、余分なものが入っていない「Japanese Soy Sauce」ができたらいいなぁ、と思っています。

(毎月第3金曜日に掲載します。お楽しみに!)

 

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。