第8回 パース限定?アボカドの失敗しない選び方

子どもたちが休みになると、毎朝のお弁当作りからは解放されますが、毎日のランチの支度が新たな悩みです。簡単なランチとしてアボカドを使ったスパゲティを時々作りますが、私はパースに来て初めて、オーストラリアでもアボカドが盛んに栽培されていることを知りました。よく使われる食材の一つです。

西オーストラリア(WA)州では、北のカナーボン(パースの約900キロ北)から南のアルバニー(パースの400キロ南)までアボカド農場が点在しています。ちなみに緯度で言うと、なんと日本の青森市と鹿児島市の距離よりも大きいです。広い範囲で栽培されていることもあり、アボカドはWA州ではほぼ一年中流通がありますが、シーズンは8月~翌年2月です。私の感覚では、だんだん温かくなってきたなと思うようになると、売り場のアボカドの量も増え、質も良さそうなものを見かけるようになり、シーズンだなと感じます。

アボカドの完熟した果肉はこってりとクリーミーで、どう食べてもおいしいですよね。しょうゆを垂らしても、切ってサラダに無造作に入れてもよし。パースでは巻きずしの定番の具でもあります。

■自宅で追熟!

その半面、食べごろを見誤ると失敗の大きい食材でもあります。表皮が固くて厚いため、外見から果肉の状態が分かりませんし、匂いなどでも熟しているかどうか判別できません。切ってみたら固くてシブかったり、逆に果肉が傷んで黒ずんでいたり……。ネットには食べ頃の見分け方がいろいろ紹介されていますが、ここではWA州ならではの、アボカドをおいしく食べるコツを紹介します。

一番大切な点は、皮が黒くなったアボカドを買わないことです。普通皮が黒ければ食べ頃だと言われますが、私の経験上、中身が傷んでいて、半分くらいしかまともに食べられない、なんてことが結構あります。私は店頭では、青くて固いアボカドしか買いません。色が青いことはもちろん、実際に持ってみて、完全に固いものを選ぶのがポイントです。

未熟なアボカドを室温で数日置いておくと、だんだん色が黒くなってきます。手で持ち、ほんの少し力を入れてみて、ちょっと柔らかさを感じるようなら食べ頃です。季節にもよりますが、1週間以上置くと熟れ過ぎてしまうかなと思います。

アボカドの切り方ですが、中央の丸い種の周りにぐるっと包丁の刃を当てながら縦半分に切り、左右を両手でひねるとパカッと割れます。皮は手でむくか、包丁でそぐように果肉を取ることもできます。

■なぜパースの黒いアボカドはダメ?

日本では皮が黒くなったアボカドを買っていたのに、なぜパースではダメなのかを考えていましたが、私が至った結論はズバリ、店での扱い方が雑だということです。日本では一個一個、大切にプラスチックの型に置かれているアボカドですが、こちらの青果売り場ではザザーッと山積みです。ちょっと熟れて柔らかくなっているアボカドは、すぐ傷んでしまうのではと思いました。

アボカドは健康効果のある脂肪を約20%も含有する珍しい野菜で、ビタミン類や抗酸化作用のある栄養素を含むため、健康志向の強い人に人気の食材です。私のブログ(http://perth-zanmai.com/)には、そのアボカドを使い、ちょっと大人向けにアレンジした簡単アボカドパスタのレシピを載せています。

 

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。