第10回 パースで買えるお米、海外ならではの楽しみ方
日本とパースではさまざまな違いがありますが、日本人にとってなじみ深い「お米」も、随分違います。そこには、海外だからこそ楽しめる、コメのおいしさもあります。今回はパースのコメ事情について紹介します。
実は日本にいたころ、コメにこだわるのは日本人くらいで、オーストラリアにはほとんどコメなんてないんじゃないかと思っていました。ですが、オーストラリアでもコメは栽培されています。世界中でさまざまな種類の料理に使われているコメ。パースに来て、日本とはまた違った観点で、食材としてのコメを見ることができ、「料理によってお米の種類を使い分ける」という楽しみができました。
パースでよく見かけるのは、長粒米(Long Grain Rice)、中粒米(Medium Grain Rice)、バスマティライス(Basmati Rice)、ジャスミンライスなどです。
長粒米は名前の通り細長く、パラリとした炊き上がりになります。やや日本のコメに近いのが中粒米で、炊き上がりは、長粒米よりも水分を含みます。パエリアなどの炊き込み料理や、中東、スペイン、韓国料理などにも幅広く使われています。長粒米の一種、バスマティライスは、インドやパキスタンのコメで、独特の豊かな香りは、ローストした木の実などに例えられます。べたつきがなく、フカフカした炊き上がりで、インド料理には欠かせません。また、同じ長粒米の一種であるジャスミンライスは、タイ、ベトナム、ラオスなどを原産とするコメで、タイ料理でおなじみです。バスマティライスよりもやや丸みがあり、炊くと弾力が出ます。
このほか、イタリア原産のアーボリオ(Arborio)は、真珠のように白く、ほかのコメよりもでんぷんが多いため、しっとりクリーミーな食感になるのが特徴だそう。リゾットなどに用いられます。
■豪産コシヒカリ?
日本のコメに近いのは、短粒米(Short Grain Rice)で、オーストラリアで栽培されているものは、パースでは一般的に「Sushi Rice」というブランドで流通しています。炊き上がったコメの柔らかさや粘り気などは、やはり和食向けのコメならでは。驚くことに、日本食に最も適した高級米として、オーストラリアでは1990年代から「Koshihikari」が栽培されています。味や粘り気などはSushi Riceよりも日本のコメに近く、わが家はこのコメを使っています。
もち米もあります。主にタイ産が流通しているようですが、英語では、「Glutinous Rice」「Sticky Rice」「Sweet Rice」と呼ばれています。
■日本のコメより簡単
わが家は短粒米が主流ですが、カレーを作るときはバスマティライスを炊くようになりました。普通のスーパーマーケットで買うことができ、身近な食材です。パラッと仕上がるため、カレーの汁気とうまくからみ、相性バツグンです。
私はバスマティライスとジャスミンライスは鍋で炊きます。日本のお米のように、細かいことにこだわらなくてもおいしくできるので、むしろ簡単です。水の量はお米の1.5倍。実感としては、よく水を吸って膨らむので、出来上がりの量が想像よりも少し多めになります。炊き方やカレーのレシピなどをブログで公開していますので、チェックしてみてください。
投稿者プロフィール
- 1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。
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