第42回 ココナッツオイルで甘辛焼きうどん

子ども向けのランチにぴったりで、お手軽な料理といえば、我が家では「焼きうどん」が定番です。通常、日本で食べる焼きうどんは、とろりとして甘い日本のソース(ウスターソースや中濃ソースなど)で味付けされていると思います。では、海外で焼きうどんを作るとなると、どんな味付けになるでしょうか。今回紹介するのは、「日本の食材を使わずに日本の家庭料理を作ろう」をテーマに、フィッシュソースやココナッツオイルを使った焼うどんのレシピ。和食にはない風味で、甘辛味に仕上げます。

菜心を入れてシャキシャキ感をプラス

■パースでの「常備ソース」

我が家では、日本でよく使うソースの代わりに、オイスターソースとフィッシュソースを常備しています。フィッシュソースは、日本では魚醤という名前でも知られています。また、タイではナンプラー、ベトナムではニョクマム、と呼ばれています。小魚を塩漬けにして発酵させて作られ、東南アジアの国々で非常によく使われる調味料です。塩気が強く、クセのある独特のにおいが特徴的です。

パースでは、こうした東南アジア産のフィッシュソースがよく売られています。我が家で使っているものはタイ産のカタクチイワシ(Anchovy)を原料にしたものです。

オイスターソースは、中華料理から東南アジア料理に広く使われる調味料で、カキ(牡蠣)から取った出汁を使ったソースです。日本でもすっかりおなじみの調味料ですよね。砂糖や塩などで味が整えられているほか、とろみや色を出すための添加物が加えられています。

パースでは中国産や東南アジア産のさまざまなタイプのものが売られていますが、我が家で使っているものはマレーシア産。中には、MSG(うまみを出す化学調味料)が入っているものもあるので、気になる場合は、購入する際に原材料のラベル表示をよく確認すると良いです。

どちらも、思いつきの炒めものから、中華風、タイ料理風のレシピなど、日々色々と使いまわせるので、今や我が家では欠かせない調味料です。この2つのソースを組み合わせて、うどんの味付けをします。

■マイルドな味付けにするには?

ただ、フィッシュソースやオイスターソースでは、コクが強すぎて子どもの舌には合わないかもしれません。そこで、甘さをプラスするために、炒める時にココナッツオイルを使います。

健康食品として日本でも大変人気が出たという、ココナッツオイル。健康志向が強いオーストラリアでも、ココナッツオイルはヘルシーな食材として認知されています。

パースでは、コールドプレス製法で作られたオーガニックのものなど、信頼できる商品がスーパーマーケットで手に入るので、気軽に料理に取り入れやすいです。

オイル自体には甘みはありませんが、炒めるとココナッツの甘い香りが広がり、味がまろやかに感じられます。そして、一緒に炒める野菜の甘みを引き出してくれるので、砂糖を加えなくても十分にやさしい味が出せます。

焼きうどんの作り方は、基本的には普通の焼きうどんと一緒です。うどんをゆでて、炒めた野菜と合わせるだけ。ソースはメーカーによって辛さや甘さが異なるので、味を見ながら量を調整すると良いです。お好みの野菜を使って作ってみて下さい。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。