第43回 海外にいても、ゴマは家庭料理の必需品─いりごまの作り方
日本の家庭料理では、『ごま』はよく登場する素材です。料理に使うなら、あらかじめ炒ってある「いりごま」や、さらにそれをすってある「すりごま」が便利で、日本では長年、そうしたものを買っていました。
パースでも、ごま(sesame seeds)は売っています。Woolworths、Colesといったスーパーマーケットでも、調味料コーナーや健康食品系のコーナーで売られていたりします。
ですが、「いりごま」なんて気の利いた物ではなく、基本的に生です。
オーストラリアのレシピを見てみると、生のままパン生地やクッキーにトッピングして焼いたり、フライパンで軽くローストしてアジア風の料理にトッピングしたり、テリヤキチキンにトッピングして使われているようです。
そこで、生のごまを買ってきて、自分で炒ってみることにしました。
■海外で、いりごまのおいしさを知るなんて
ごまを炒る、ということに、私はパースに来て初めて挑戦したわけですが、やってみたら、これが驚きのおいしさです。この香ばしさは、今まで使っていた「いりごま」「すりごま」とはまったく違いました。とても豊かな香りです。炒りごまの香りって、こんなにいいものだったとは。これは私の中で、予想外の発見でした。
日本に住んでいたら、わざわざ生のごまを買って炒ろうなんて、思いもしなかったかもしれません。
どんなにおいしいものでも、作るのがたいへんだと続かないものですが、ごまを炒るのは、想像していた以上にカンタンでした。
■所要時間は10分弱
小さい片手鍋にごまを入れ、中火~弱火にかけます。数分くらいしてくると、下の方のごまが茶色く色づいてくるので時々火から離したり戻したりしながら、鍋をゆすり続けます。
色づいてくると、焦げが回るのが早いので、様子を見ながら火を弱めてもよいでしょう。
ちょっとコツがいるのと、炒っている間は目を離せないのが、注意事項ですが、小さな片手鍋一つで簡単にできるのです。黒ごまは、白ごまのように色を見て焦げ具合を判断することができないので、ちょっと炒るのが難しいです。なので、最初は白ごまでやってみて、火加減や時間がわかったら、それと同じ要領で黒ごまをやるとよいです。黒ごまは、また白ごまと違う風味で、炒ると格段に香りがよくなります。本当になんていうか、深みのある独特の香ばしさなんです。とてもおいしいです。
■常備調味料としてストック
本当は、ごまは食べる時に食べる分を直前に炒るのが一番よいのでしょうが、ちょっと使いたいだけなのにいつもいつも炒ってはいられないので、私はこうして時々50gくらいをまとめて炒って、ふたがきちんと閉まる容器に入れて置きます。いりごまは我が家の常備調味料の一つとして、常にストックされています。
ところで、オーストラリアでは、ごまは抗酸化物質が豊富でヘルシーな食材として認知されている反面、特に子どもにおいては、重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性がある食材として、注意喚起がなされています。
投稿者プロフィール
- 1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。
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