QLD政府、開墾規制強化法案で難局に
- 2016/3/31
- 政策・投資
オーストラリアのクイーンズランド(QLD)州の労働党政権がこのほど、ニューマン前自由国民党(LNP)政権下で緩和された開墾(land clearing)規制を強化する法案を議会に提出した。先住民グループや農家の反対運動が盛んになるとみられる一方で、グリーンズ(緑の党)は、廃案にすれば政府はグリーンズ派の有権者の支持を失うと警告しており、少数党政府であるパラシェイ政権にとって頭痛の種となりそうだ。3月29日付オーストラリアンが伝えた。
同法案は持続可能な農業の促進や、同州にある世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(GBR)の保護が主な目的。前政権が緩和したが、労働党の方針は法案が提出された1999年から変わっていない。新規制はLNP前政権以前の水準に戻し、さらにGBR近隣の地域で適用範囲を広げるもの。
農家のほか、牧畜業者やカッターズ・オーストラリアン党がLNPと共に同法案に反対。廃案には中立議員で元労働党のゴードン議員の票が必要となるため、反対派が同議員にロビー活動を行っている。ゴードン議員が賛成票を投じた場合、昨年の州選挙で過半数議席に1議席届かなかった労働党が支持を取り付けた無所属のウェリントン議員の投票次第となる。
農業団体アグフォースは、規制強化は、畜牛農家が干し草の栽培のために自分の土地を開墾できなくなることを意味すると反発している。農家らからも「政権交代でころころ規制が変わり、長期的な事業計画が立てられない」と不満の声が上がっている。【3月30日付デイリーNNA豪州&オセアニア版記事より】
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