タスマニア東部で大規模な赤潮発生、貝毒で養殖場閉鎖も

タスマニア(TAS)州東部の沿岸域で、有害藻類が繁殖して大規模な赤潮が発生している。これにより、広範囲にわたり貝毒が発生している。同沿岸海域で、貝類を食べると麻痺性貝毒で中毒症状になる可能性もある。そのため、同州の保健・行政サービス省は、東部沿岸域およびホバート南西部の入り江で、カキやムール貝などの貝類を採取して食べないよう警告している。昨年は日本でも販売されていた同州産のムール貝が貝毒で回収されており、TAS州の水産業の懸念は続いている。【ウェルス編集部】

TAS州保健・行政サービス省は、北東のウォーターハウス・アイランド~南東のマリオン・ベイで、野生のカキやムール貝、二枚貝、ホタテガイを採取して食べないよう促している。また定期的な調査では、ロックロブスターの内臓の毒含有量は減少傾向にあるものの、同地域産のロックロブスターやカニの内臓は食べないことが安全としている。一方、ロックロブスターの身は食べても安全という。

さらに、南西のハオン川河口とポート・エスペランスでは、カキやムール貝、二枚貝の消費を自粛することと、予防策としてカニやロックロブスターの内臓を食べないよう呼びかけている。またハオン川河口では、アワビの内臓の消費も自粛されている。

TASでは通常、麻痺性貝毒の原因となる有毒な渦鞭毛藻のGymnodinium catenatumが発生していた。ただ今回は、これまで同地域で発生が確認されたことがなかったAlexandrium tamarenseグループの発生が見られるという。

麻痺性貝毒では、吐き気や下痢、嘔吐(おうと)、腹痛などの症状が現れる。重症の場合には、呼吸麻痺により死亡するケースもある。

■養殖場閉鎖も

同省は、貝類・甲殻類の毒化が解消されるまで、同地域の商業的な貝類養殖場を閉鎖する。監視が行き届いているため、認証された小売店で消費者は安全な貝類を購入することができるとしている。昨年にも同じ理由で閉鎖された養殖場もあり、水産業にとっては頭が痛い状況となっている。

昨年にはTAS州の大半で野生の貝類や甲殻類を食べるのが禁止された。活ムール貝で麻痺性貝毒が検出されたことで、全国および輸出向けがリコールされていた。TAS州のロックロブスター産業は年6,000万豪ドル(約58億円)以上、アワビ産業は同9,700万豪ドルの規模だ。

関連記事

アーカイブ

ウェルスのトリビア

新型コロナや豪中貿易紛争の影響で縮小したSA州のロック・ロブスター業界に、州政府が支援の手を差し伸べました。どのような支援内容でしょうか?(答えは記事中に)

ページ上部へ戻る